食道アカラシアという病気がある。
10万人に1人の割合で発症すると言われていてかなり珍しい病気である。
数年前この病気にかかり大変苦労したのでその時の事を書いておく。
この病気について 以下他サイトから引用。
「食道と胃の境には、「下部食道括約部」という胃への流れを調整する箇所が存在します。下部食道括約部は、「食道から胃へと食べ物を流す」という順行性の通り道としての役割と、「胃から食道に食べ物を逆流させない」という逆流防止の意味合いを持つ役割を担っています。
食物を飲み込むと食道から胃に食物が運ばれますが、食べ物をスムーズに食道から胃へと移すために下部食道括約部が弛緩します。一方、胃で食物が消化されるときには、下部食道括約部が収縮して胃酸や胃の内容物が食道に逆流してこないようにします。
しかし、食道アカラシアは前者の働き、つまり、「食道から胃へと食べ物を流す」という作用が円滑に行われなくなってしまっている病気です。食道アカラシアでは下部食道括約部は常に収縮した状態になっており、食べ物を摂取しても下部食道括約部が弛緩することがありません。そのため、食道アカラシアでは食物が常に食道に溜まった状態になります。
食道アカラシアは、食道の動きを司る「アウエルバッハの神経叢」の神経障害が原因と考えられています。また、食道の感覚異常も起こるため、慢性的に食道に食べ物が残っていても自覚できないことがあります。」
私の場合とにかく食べた物が胃に落ちない。
胃に落とそうと水を飲んでも水ごと喉に溜まる。
落ちないから更に水を飲む。
水が喉元まで溜まる。
苦しい。
後は吐くしかない。
普通には吐けないから指を口の奥に突っ込んで吐く。
この行為はとても惨めな気分になる。
必ず詰まるわけではなく、食事数回に一回の割合なのだがいつなるかわからない。
詰まるのが怖くて外で食事ができなくなった。
ひどいときはコーヒーが喉から胃に落ちない。一時間程我慢して吐くとそのままコーヒーが出てくる
夜寝ていると食道に溜まった夕飯を戻すため枕周りが汚れる。
診断をもらう直前は夕飯を抜くことにしていた位だ。
更に逆流した食物が肺に入って軽い肺炎状態になるのか、月に1~2回38℃~40℃の高熱が2~3日続く。
当時シフト制の飲食店で働いていたため簡単には休めない。
フラフラになりながら働いていた。
約1年この状態が続いた。
体重も95kgから80kg位まで落ちた。
ついでに言うと手術で治ったらあっという間に110kgまで増加した。
この病気の怖いところは医者がこの病気を見つけられないことにある。
医者に病状を口頭ではなく紙に時系列での症状を書いて受診しても原因がわからない。
近隣の内科 耳鼻科と色々とまわった。
消化器専門の町医者で胃カメラや大腸カメラまでやったがわからない。
ちなみにこの医者はとにかく胃カメラをやりたがるが診断できないとんでもないない藪であった。
ここでの診察結果は「気のせい」
もっと詳しく調べてくれと頼むと
しまいにはストレスが原因の心因性だから神経内科に行けとまで言われた。
いくら説明しても喉に物が詰まるだけでしょ
そんなのは病気でも何でもないと何人もの医者に言われ続けた。
町医者では無理と思い、何度か通った医者に湘南藤沢徳洲会病院への紹介状を書いて貰い胃カメラを受けた。
この時は全身麻酔ではないので検査中の医師の会話がそのまま聞くことが出来る。
検査の前に痛みを和らげる薬剤を飲むのだがそれがそのまま食道に留まっている。
その時点でこれは異常であるとの会話が聞こえる。
そこでやっと食道アカラシアの診断をもらった。
これで約1年苦しんでいても原因すら判らず、気のせいだの精神的なものだの言われ続けていたのがやっと対策が取れるようになった
治療に関しては多分手術が必要になるため、