東郷隆の人気小説 定吉七番シリーズの未読のタイトルを図書館で見つけて一気読みした。
相変わらずくだらなくて面白い!
作者の東郷隆は歴史小説等の大家なのだがこのシリーズのみいつもの作風と違う。
唐桟のお仕着せに前垂れ、ハンチングをかぶり武器は柳刃包丁。
お線香のテレビコマーシャルに出てくるような出で立ちで裏の顔は秘密諜報部員。
007のパロディというより007シリーズ愛を表現した小説である。
なかなか凝った設定で大阪商工会議所の最大の敵は関東のNATTO(なっとう)
需品係将校のQは中番頭の九作となる。
大体からして殺人許可書を持った丁稚って何なんだよ。
大阪に対して愛情があるんだか小馬鹿にしているのかちょっとわかりかねる。
本の題名も
「定吉七は丁稚の番号」
「角のロワイヤル」
「ゴールドういろう」
やらよく考えられている。
それぞれ本家007シリーズを綿密に読み込んで反映させた作品である。
007シリーズに詳しくなくても充分楽しめる。
機会があれば一読をお勧めする。